従来は、カルテと言えば紙媒体だけで、医師がドイツ語や英語で診療情報を書き込んでいました。やがて、医療業界もIT化が進み、電子カルテが採用されるようになったのです。現に、病床数が多い大病院を中心として電子カルテの導入が促進され、医療機関の半数以上が電子カルテに切り替えました。パソコンを開けば、容易に該当患者の電子カルテを閲覧できるため、紙カルテよりとても便利だと言えます。電子カルテの作成は、主として医師の業務です。
しかし、看護師も電子カルテに関わらない訳にはいきません。電子カルテには、医師から看護師への指示が記されているほか、看護記録も記載しなければならないからです。医師が診察しながらバソコンの画面に必要な情報を入力し、後でまとめるという方式の電子カルテが多いのですが、医療機関によっては、診察中の医師と患者のやり取りを聴きながら、基本的な情報を看護師がバソコンに打ち込むケースも見られます。看護師は、医師だけでなく医療事務とも院内LANを介して連携しやすくなり、処方箋の入力ミスなども減ったと言えるでしょう。
看護師が入力する看護記録には、看護計画のほか、看護の総括と言える看護サマリーや家族関係の図式など多岐にわたります。看護師は、電子カルテを扱うため、医療スキルのほかに、バソコンの操作技術も求められるようになりました。必要な情報を最短時間で検索できるほか、キーボードを叩いて看護記録をスムーズに入力する能力が看護師には不可欠なのです。